朝、珈琲が飲めない。せめて癖のある紅茶を、とキームンを濃いめにいれる。数年使っている、マグカップになみなみと注ぐ。ティーカップの中には嵐。 マグカップの中には? 何が起きているのだろう。身震いするくらい、水面はしんとしている。
ティーポットが割れてしまって、随分経つ。初めて自分でティーポットを買ったのは、 下北沢に昔あった、英国調の紅茶専門店。壁一面に並ぶ様々な大きさと色のポットから、 随分と悩んで選んだことを憶い出す。陰影のある、粒子感のある藍色のポット。いろい…
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